2023年10月09日

2023年10月 中医臨床検討会

内傷発熱について検討会をしました。

先ずは内傷発熱の内容から始めました。
span style="font-size:large;">《内傷発熱》

発病原因:肝経鬱熱、瘀血阻滞、中気不足、血虚失養、陰精虧虚。

弁証証型:肝鬱発熱、瘀血発熱、気血両虚発熱、陰虚発熱。ただし、各種証型は単独で出現することは少なく、虚実夾雜するものもよく見られます。

各証型の主症状
肝鬱発熱;熱症状は常に情緒変動により起伏する、時に身熱心煩を感じる、イライラ、胸脇悶脹、よくため息をつく、口苦、脈弦数、黄苔。婦女子は月経不調や乳房脹痛。

瘀血発熱:午後あるいは夜間発熱、口渇するが飲みたくない、固定痛や腫塊がある、皮膚がカサつく、顔色は黒あるいは萎黄、紫暗舌あるいは瘀点瘀斑、脈細渋。

気血両虚発熱:発熱は時に高く時に低い、疲労により悪化する、午前の熱勢が明らか、午後あるいは夜間発熱は軽い。気虚に偏るものは;疲労感、食欲がない、自汗、悪風、薄白苔、脈細無力。血虚に偏るものは;顔色に艶がない、動悸、不安感、唇や爪の色が淡い、淡白舌、脈細。(脾胃虚弱症状を伴う)

陰虚発熱:午後あるいは夜間発熱、五心煩熱、顴紅、寝汗、頭暈目眩、不眠多夢、便秘、舌紅、少苔あるいは無苔、脈細数。

以上の内容を理解した上で弁証論治してみました。



練習問題11:内傷発熱(中医文献より)
男、51才。1994年5月初診。
《主訴》低熱(37.2〜38.5℃)が一年余り続く、夜間発熱が甚だしく、五心煩熱、心煩、口渇あるが飲みたくない、精神疲労して無力、顔色紅潮、二便正常、薄苔、脈細やや数。胸部レントゲン・血沈・血液検査・尿検査すべて正常。気陰両虚証として益気滋陰薬を与え、5剤服用後も低熱は変化なし。
再度、弁証論治をしてみましょう。




練習問題12:内傷発熱(中医文献より)
女、39才。1994年2月20日初診。
《主訴》半年前から時々発熱、夜間が特にひどく、その時は手足がじっとできず、煩躁して横になれず、体温は37.8℃。常に去痛片・感冒通解熱の薬を服用する。そのほかの症状は頭昏、倦怠感、悪心、食欲不振、口渇して熱飲を好む、多汗、身熱は夜間に甚だしい、淡白舌、薄白苔、脈無力。
初診時;陰虚有熱に気虚を兼ねると弁証して、当帰六黄湯を処方する。2剤服用後症状に変化なく、3剤後は身痛、嘔吐、頭暈、嗜臥が現れ、発熱は変化なし。
弁証論治し直しましょう。


どちらも誤治により、弁証論治をやり直した症例です。

中気不足による気虚発熱はどのようにして生じるかは、分かりにくいので解説を加えました。その内容は脾胃論に詳しく説明されていますが、少し分かりにくいので解説しました。






posted by k.yamada at 11:14| 中国針灸学習会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年03月27日

2023年3月 中医臨床検討会 & 温病学輪読会

中医臨床検討会

今月も頭痛

女性、48才 
《主訴》:両偏頭痛(特に左側頭部)
《現病歴》両偏頭痛(左)、左季肋脹痛、悪心、食後腹脹、口苦、(顔や両手)骨が熱い。病歴;2年前からこのような症状が始まり、最近また悪化してきた。
《舌診》淡紅舌、白厚苔《脈診》中(23)細弦


骨が熱い訴えをどのように弁証するかがポイントです


女性、38才
《主訴》9年くらい前からの頭痛
《現病歴》2年前から頭痛がひどくなる。生理後に毎回1週間くらい頭痛が続き、それ以降はあまり頭痛を感じない。症状は前頭部やこめかみが痛い。疼痛は激しくないが不快。
周期は正常、経量は少なく3〜4日で終了する。月経痛はないが腰痛はある。
随伴症状;食欲はある、便秘傾向、疲れやすい、睡眠は浅い。
24才結婚;26才第1子;29才第2子。
《舌診》偏淡舌、薄白苔《脈診》沈細軟無力


月経のメカニズムを再確認して弁証しました。




温病学輪読会

今回もAR先生の担当、暑温病の続き。

新加香薷飲香薷飲
白虎湯白虎加人参湯
それぞれの違いが明らかになりました。


そして清暑益気湯生脈散白虎加蒼朮湯の検討まで進みました。

また清暑益気湯は日本では入手できないので、どのようなエキス剤を組み合わせるか、
SR先生の見解を紹介していただきました。



まだまだ中医学の学習は続きます。
楽しいですね。






posted by k.yamada at 10:56| 中国針灸学習会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年03月04日

脈診セミナーのご案内

4月5日から第1第3水曜日、午後7時〜8時30分 
脈診セミナーを始めます。


内容は、
脈診の基礎編として


@脈診で何が分かるのか。

A中医診断における脈診の役割。

B脈診の基礎技術(学校や専門書で紹介されていない内容)

の5回シリーズです。

参加費:1回5千円

場所:品川区小山6−16−6 山田勝則宅

電話:03−3785−2838

メール:katsunor@d8.dion.ne.jp

お申し込みは、電話あるいはメールでお願いします。
posted by k.yamada at 10:42| 中国針灸学習会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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